2019/06/10「宇野常寛の就活論と未来のインターネットのあり方」という講演会に参加してきました。このイベントは私の友人である齊藤由空(さいとうゆうろ)くんが主催してくれました。今回のイベントの登壇者である宇野常寛さんは現在(2019/06/11時点)評論家であり、批評誌〈PLANETS〉の編集長でもあります。今回は宇野さんの講演会の内容と私の考察をお伝えしようと思います。

宇野常寛の就活論と未来のインターネットのあり方

今回のイベントテーマは「就活論と未来のインターネットのあり方」でした。宇野さん自身の大学生時代から現在までの経験と、インターネットとの付き合い方を中心にお話していただきました。

以下講演中に取ったメモを、自分の解釈を交えながら紹介していこうと思います。

大学の意義とは?

最初に有名大学の学生が陥りがちなことは、大学の権威をブランディングするということ。大学という機関はそのためにあるのではなく、インフラ(戦闘力)をつけるためにある。そのため、

とある大学生
おれってあの有名な○○大学の学生なんだぜ!
と言っても、肩書きだけしかない人間となってしまいます。

好きに生きていた大学時代

宇野さんは大学生時代、やる気がない人だったそうです。現実に興味がなく、当時宇野さんがよくおこなっていたのは次の3つ。

①三国志7
②ケーブルTVでアニメ・ドラマの鑑賞
③古本屋(氏政の古本屋)、右京図書館めぐり

授業はあまり行かず、たまに自分の好きな授業に行く以外は、レポートや試験で一発で単位が取れる受業ばかり取っていたそうです。しかしそれは、当時の自分の時間の優先度を考えた結果そうなってしまっただけであり、目の前の快楽を追求し続けた結果、今の自分があるそうです。周りと比較ばかりして人生の勝ち負けだけ考えてもクリエイティブな考えは生まれない。宇野さんは目の前のことに集中し、主体的に行動していたことが分かります。

宇野さんはお小遣い稼ぎでライティングの仕事をしていた後、5年ほどサラリーマン時代を送り、副業で評論や本を書いていました。そして本を執筆しているとき、東京の執筆者たちに対して『絶対こいつになら勝てる』と確信。ブロガーをスカウトし、サラリーマン時代の2005年にインディーズ批評誌『PLANETS』を創刊、ウェブマガジンと同人誌を作りました。すると東京の出版社の目にとまり依頼が来て、東京の広告会社に勤めながら会社PLANETSを運営することになります。この際、低賃金でいいので宇野さん自身の持っているノウハウと人脈から雇ってほしいと会社にお願いし、結果会社はリターンを求めお互いがwin-winの状態で転職で中途採用されたそうです。そしてPLANETSは徐々に規模を拡大し、独立を遂げるのでした。このことからPLANETSという会社はいきなり0から1になったのではなく、そのときそのときの状況に柔軟に対応していたことが分かります。

ゆうろくん
副業って難しいイメージがありますけど、実際どうなんですか?

宇野さん
複数の事業を結びつければいいんじゃないかな。多くの人は副業で好きなことをやってお金にならないことが多い。それだともったいないから結びつけた方がいいよね。本当にやりたいことを追求することが食べることにも繋がるし、やりたくないことは、いかにフィードバックするかが重要になるね。


宇野さんは上記のことを転職活動でやっていたそうです。そしてこの時
win-winの関係を作ることが重要となるのです。

インターネットの現状と向き合い方

ゆうろくん
今後の社会で求められる人物はどんな人ですか?

宇野さん
目的は何?


最近の日本(特にSNS)では、誤った順序で物事を考える人が増えています。例えば『人生で成功したい』、『何者になりたい』等です。
求められたい人間はまず順序を間違えています。この逆説にもっと気づくべきだと宇野さんは訴えます。

インターネットが普及した当時、ウェブブームが訪れ、ブログの誕生により誰もが気軽に発信できる時代がやってきました。しかし日本人の近代化には失敗したそうです。なぜならブログの村化により、良いネタよりも炎上ネタがはやってしまう現象が発生したからです。本当に有意義な情報が拡散されるのではなく、例えば芸能人の不倫騒動だったり政治家の汚職問題だったりなど、相手を陥れるような話題が流行り、バズるようになりました。

こういった状況のなかで宇野さんは、受けるネタよりも自分の好きなことを追求し、バズっているものに大喜利でコメントをして点数稼ぐ人たちをブロックorミュートしてリスト化しているそうです。

現代の日本では自分で何かを作って世を変える人が減少し、一方でインフルエンサーにつくコバンザメが増加している現象が起きています。そのような意思を投げる人が増加するとそのコミュニティ媒体は終わるそうです。なぜなら、Sクラスの人間をCクラスの人間が邪魔することで、Sクラスの人たちが潰されるからです。Cクラスの人たちは、自分で何かをするインセンティブが欠けてますが、すごい人に石を投げ続けることで自分の存在意義を実感しているのです。

インターネットは早いです。そして大量の情報が瞬時に流れ込んできます。例えばtwitterでは膨大なツイートがめまぐるしくタイムラインに流れてきます。このとき重要なことが、脊髄反射ではダメということ。Sクラスの人たちが長い時間をかけて研究、考察した情報をうわべで分かった気になり、流行にのらなければとすぐに大喜利(リプ)しがちです。そうではなく、専門家たちの考察などを熟考し、本質を理解することが大切なのです。そういった中で、宇野さんは遅いインターネットを作ろうとしています。

セルフブランディングについて


現在YouTubeやTwitterなどのインターネットの普及により、誰でも発信ができる時代がやってきました。そしてその結果、芸能人やタレント以外の個人も影響力を持つようになりました(彼らのことをインフルエンサーとも呼びます)。そういったインフルエンサーや
有名人に対して、自分も影響力を得る手段として彼らに乗っかる人間が最近増えているそうです。

宇野さんはそういった人に対して厳しい評価をしています。

宇野さん
有名人とセルフィーをとるだけの中身がない人間は、今後ネタ化する

何もない人間が有名人にのっかってマウントを取る方法は、意識高い系の人々にとっての常套手段であり、それは安直なブランディングでもあります。

2ちゃんねるで匿名でのコミュニケーションが流行り、その後は匿名ではなく実名によるセルフブランディングの時代がやってきました。以前は匿名の利点を活かし、あることに対して意見をいう物事に対するコミュニケーションが重視されていたのですが、現在は物事に対するコミュニケーションよりも、コミュニケーションに対するコミュニケーションが増えています。その結果、物事よりもコミュニケーションを目的にする人が増え、価値を生むための潤滑油というコミュニケーション本来の目的が衰退していると宇野さんは主張します。

ここから次の見出しまで僕の解釈と見解です(間違っていたらすいません)
これまでは、ある議題に対して人々がそれぞれの知見から意見を主張していました。そしてそれは議題に対する意見であり、その議題を取り上げた人というのは重要視されていなかったように思います。しかし現在(特にtwitterにおいて)ある議題について誰かが意見を言うと、その意見に対して揚げ足を取ったり、言い方に口出しをしたり、自分の知識でマウントを取ってきたりと、その意見を発した人やその議論を見ている自分以外の人に向けて意見を言ってる人が増えているのではないでしょうか?
インターネットやSNSの普及により、世の中がよりオープンでフラットになりました。その結果、政治家や専門家、著名人、インフルエンサーと誰もが簡単につながれるようになりました。その利点をいかし、それ以外の人が彼らの影響力を利用して、自分をすごい人だと見せたり彼らの意見に批判的でネガティブなコメントをして他の人の反応を楽しんだりする実態が生まれたと思います。
twitterを例にあげると分かりやすいですが、誰かの意見に返信をし、それに共感したりいいと思った投稿に対して第三者が「いいね」や「リツイート」を行います。それらは数値として評価を見ることができます。どれだけ面白く、センスのある回答ができるかが評価を得る主な手段です。そもそもtwitterというものはその人の「つぶやき」であり、それに意見すると言うことは「意見に意見する」というコミュニケーションに対するコミュニケーションそのものな気がします。

今後に向けて

ここまで講演会の内容と自分の見解を書いてきて、自分以外の人に向けて発信するこわさを徐々に実感してきています。というのも、自分はまだただの大学生の1人に過ぎないからです。散々誰かの意見に石を投じる危険性を主張してきましたが、僕自身いま書いている記事が、見方を変えるとその “石” になるのではないのかと思い始めるようになりました。
そういったとき、宇野さんは講演会の最後にこんなアドバイスを投げてくださいました。
    何者になってから自己宣伝するべし
    何かを宣伝するための手段とするべし
    共感ではなく向上するべき共同体を目指すべし
    SNSに夢中になっている人と縁を切るべし

そして自分はまだ何者にもなっていません。そのときは「自分自身の変化を発信する」ことを心がけるといいそうです。意見に対して意見を言うだけでは、何の向上にもつながりません。いかにひとりひとりがつぶやくに値するモノを持っているかどうか、そして他人の揚げ足を取ったり、虎の威を借る狐のように強者の力を借りるだけで努力しないのではなく、自分自身が成長し続けることができるかが、今後の社会とSNSの正しい向き合い方ではないでしょうか?

 

講演会開いてくれたゆうろくんのtwitterはこちらから
宇野常寛さんのtwitterはこちらから

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事